25-26AW(秋冬)シーズン、MASUが打ち出すコレクション『20XX』は、ブランド設立当初からのアーカイブを再解釈し、新たな進化を遂げた点が最大の特徴です。
過去にはパリコレでの発表や数々のコラボレーションを積極的に行ってきたMASUですが、今シーズンは一転してブランド独自の歴史と対峙し、「定番品」という概念にもあえて向き合う内省的なアプローチを取っています。
今回はそんなMASUの25-26AW(秋冬)コレクションを弊社バイヤーの視点から深く掘り下げ、ブランド独自の世界観や注目アイテムをご紹介。
さらに入荷情報など詳しく解説していきます。
今季コレクションのハイライト 3つのポイント
① アーカイブ再訪と「定番品」に向き合う新姿勢

MASUは2017年のブランド始動以降、多彩なアイテムをリリースしてきました。
シーズンによってガラリと印象が変わるコレクションが注目を集める一方で、25-26AWでは、これまでのシーズンのアーカイブを体系的に見直し、再解釈を加えてアップデートしている点が大きなトピックです。
過去の名作をそのまま復刻するのではなく、時代性や新たなクラフト技術を取り入れることで、当時とは異なる魅力を再構築。
これまでレザーカットなどの定番手法はありましたが、デザインを継続使用する「定番品」を避けてきたデザイナーが、あえて内省的に向き合ったシーズンであり、その結果、ブランドのDNAがより洗練された形で表現されています。
② テーマ「20XX」が示す普遍性と時間の超越

シーズンテーマである『20XX』には、「いつのコレクションか定まらない」という意図が込められています。
これは特定のシーズンに縛られない普遍性や、従来のファッションサイクルへの疑問を提示する試みであり、どの時代でも通用する服の価値を追求しようとするMASUの姿勢を象徴しています。
その背景には、「消費されるだけではない服」の本質を探求する姿勢があり、まさに現代ファッションへの批評的な視点と、服の持つ永続的価値へのリスペクトが強く感じられます。
デザイナー後藤愼平氏が語る「現代ファッションへの強い懐疑」は、毎シーズン消費されるだけの流行から離れ、本質的に価値のある服づくりを目指すという強い意志に繋がっています。
毎シーズンごとにコレクションの印象が大きく変わるMASUですが、25-26AWコレクションを通して過去のアーカイブアイテムを見直すことで、より一層デザイナーの考え方を色濃く表現しています。
③ レーザーカットや新加工の革新的アプローチ

MASUならではの素材使いやディテールワークは、今シーズンも話題を集めています。
特に注目なのが「FLOWER HOLE LEATHER JACKET」で取り入れられたレーザーカット技術。これはMASUファンにはお馴染みの、ブランドを代表する手法の一つです。
一般的なエンボス加工などとは異なり、素材を物理的に“除去”することでパターンや孔を作り出すこのアプローチは、素材と空間を同時にデザインするような独創性を際立たせています。
25-26AW(秋冬)コレクション徹底分析:・素材・シルエットに見る進化
デザインとシルエット:アーカイブを活かすアップデート

過去作をベースにしつつも、シルエットやディテールに絶妙な変更を加えているのが今回のコレクションの特徴です。
あくまでも過去のアーカイブアイテムを見直し、その上でアップデートさせているのです。
例えば「CRATER TAILORED JACKET」は、22AWモデルより少しゆとりのあるシルエットに調整され、前回よりボタン配置が斜めかつ6つに増加。
デザイン性が高まりながらも、過去との繋がりを感じられる一着へと進化しています。
また、「COSMO」「GALAXY」と名付けられた宇宙をイメージさせるMASUらしい斬新なアイテムも、様々なアイテムで展開。
さらに、今やブランドを代表するケーキバッグには、既存サイズに加えアクセサリーサイズのミニサイズがリリースされるなど、単なる復刻ではない、ブランドの魅力を引き継ぎつつ進化を楽しめる仕掛けが施されています。
素材とカラー:レーザーカットの衝撃とカラーバリエーション

シルエットやディテールと同様、25-26AWは過去のアーカイブを見直すシーズンのため、シーズン独自の全く新しい素材やカラーはありません。
しかし、過去シーズンとは異なったカラー展開でリリースされるアイテムも少なくなく、コーディネートに落とし込みやすいBlackはもちろん、MASUらしい鮮やかなカラーなど幅広いカラーがリリースされます。
例えば「FLOWER HOLE LEATHER JACKET」では、22-23AWシーズンがBlackとRedだったのに対し、今季はBlackとBrownへ。
従来のクレーター加工やエンボス加工とは一線を画す「レーザーカット」はそのままに、レザーのキルティング加工との組み合わせで、落ち着いた雰囲気に仕上がっています。
その他のアイテムもカラー展開や素材を変更しているものが多く、前シーズンとの比較も楽しめます。
バイヤーから見る25-26AWの注目ポイント

過去のシーズンを見直すという大胆なシーズン。
その上で単なる過去シーズンの焼き回しではなく、あくまで過去のアイテムを土台にアップデートさせている点に、ブランドの服への真摯な考え方が表れています。
「定番をあえて見直す」というデザイナーの姿勢に大きな進化を感じます。
これまで常に新しさを求めてきたMASUが、自身のアーカイブを深く掘り下げ、そこに普遍的な価値を見出したことは、今後ブランドを成長させるための一つの手段として捉えることもできます。
また、レーザーカットを含む革新的なクラフトワークは技術力の高さを表しており、まだまだこれから成長していくブランドであると感じさせます。
ブランドの現在地:MASUの哲学と歩みを再確認
揺るぎない軸:後藤愼平の懐疑と服への普遍的な愛

後藤愼平氏が提唱する「現代ファッションへの強い懐疑」は、一過性のトレンドに流されるのではなく、服本来の力を追求する姿勢と表裏一体です。
既存のデザインに囚われず、ブランド独自のアプローチによって他のブランドにはない世界観を生み出しています。
この「服への普遍の愛」があるからこそ、MASUのコレクションは常に独自の世界観と深みを持ち続けています。
過去のコレクションを振り返り、現代の形にアップデートした今回のコレクションは、まさにデザイナーのブランドへの愛が込められたものと言えるでしょう。
前シーズンからの流れと内省的アプローチ

パリコレでの発表やコラボレーション(PUMA、Tabioなど)といった外へ向かっていたブランドのベクトルが、25-26年AWでは一転して自らのアーカイブを再解釈する方向に向かったのは、ブランドにとって重要な節目。
過去の自分たちの仕事を改めて見直し、そこに「定番」と呼ぶにふさわしい価値を見出したことが、今回の大きなテーマとなっています。
25-26AW(秋冬) 入荷予定の注目アイテムをご紹介
価格帯とサイズ感について
25-26AWシーズンはキャップや小物など比較的エントリー向けの価格帯から、MASUらしい加工が施された中~高価格帯のアイテムまで幅広く揃っているのが特徴です。
具体的にはコート13万円前後、ジャケット11万円前後、トップス5万円前後、パンツ6万円前後、キャップ3万円前後となっております。
中でも過去に注目を集めたアイテムを含め、25-26AWの注目アイテムをご紹介いたします。(※価格は税込表示となります)
コート
CLOVER ZIP-UP COAT

品番: M25F9CT001
価格: ¥148,000
サイズ展開: 44, 46, 48
入荷予定カラー: Black,Gray
入荷予定時期:9月
解説: 21AWシーズンでリリースされたアイテム。
ヴィンテージのスポーツジャケットをデザインソースに、上質なダブルフェイスの生地を裂きながら手まつりでソフトに仕立てられたコートです。
25-26AWシーズンでは袖部分の色味が前シーズンよりも濃い色合いになっています。
ジャケット
CRATER TAILORED JACKET

品番: M25F9JK001
価格: ¥132,000
サイズ展開: 44, 46, 48
入荷予定カラー: Mocha,Gray
入荷予定時期:9月
解説:22AWでリリースされたMASUの代表的なアイテム。クレーターのように歪な形をしたラペル部分が特徴的です。
22AWではシンプルなダブルステッドのテーラードジャケットのようなボタン配置でしたが、25-26AWでは少し斜めにボタンが配置され数も6つに増えています。
FLOWER HOLE LEATHER JACKET

品番: M25F9BL005
価格: ¥110,000
サイズ展開: 44, 46, 48
入荷予定カラー: Brown,Black
入荷予定時期:7月
解説:22-23AWシーズンでリリースされたブランドを代表するアイテム。
無骨な型と花柄の全面カットワークのコントラストが特徴的な、ブランドのシグネチャーであるレーザーカットデザインを利用したレザージャケットです。
25-26AWシーズンでは袖部分のボタンが内側に配備されています。
トップス
SPIKY PEGASUS BOMBER JACKET

品番: M25F9BL010
価格: ¥52,800
サイズ展開: 46, 48
入荷予定カラー: Black
入荷予定時期:8月
解説:21-22AWで初めてリリースされたブランドのシグネチャーアイテムであるポップコーンジャケット。
25-26AWシーズンではフロントはジップ仕様になっており、コーディネートに落とし込みやすいブラックでリリースされます。
RODEO ZIP-UP DRESS SHIRT

品番: M25F9SL004
価格: ¥52,800
サイズ展開: 44, 46
入荷予定カラー: White
入荷予定時期:8月
解説:このアイテムは過去シーズンにコレクションアイテムとしてリリースされたものではなく、ポップアップを開催した際にその場でリメイクしたアイテムを元に作成されたものです。
そのためフロント部分にはジップとボタン両方が配備されています。
パンツ
GALAXY STRAIGHT TROUSERS

品番: M25F9PL001
価格: ¥154,000
サイズ展開: 42, 44, 46
入荷予定カラー: Camel,Dark Navy
入荷予定時期:7月
解説:23SSでリリースされたアイテム。
過去のシーズンではウエストがゴム仕様のイージーパンツでしたが、25-26AWシーズンではストレートシルエットのトラウザーにアップデート。
素材も厚みのある秋冬に適した素材になっています。
MB BAGGY JEANS DIAMOND

品番: B25F9PL003
価格: ¥62,000
サイズ展開: 42, 44, 46, 48
入荷予定カラー: Indigo,Black
入荷予定時期:7月
解説:毎シーズン、プリント部分のデザインが変わるブランドでは定番のバギーデニム。
25-26AWシーズンでは裾元にダイヤモンドのプリントが施されております。
バッグ、小物
LEATHER CAKE BAG

品番: M25F9OJ008
価格: ¥60,500
サイズ展開: One Size
入荷予定カラー: Black
入荷予定時期:7月
解説:24AWコレクションで初登場したケーキバッグ。
初登場時は牛革が使用された滑らかな肌触りでしたが、25SSでは牛革を使用したキルティング加工にアップデート。25AWでもキルティング素材は継続して使われています。
LEATHER CAKE BAG PETIT

品番: M25F9OJ007
価格: ¥49,500
サイズ展開: One Size
入荷予定カラー: Black
入荷予定時期:7月
解説:ケーキの箱を持つとき、多くの人は幸福な気持ちを抱えている。その体験を日常に取り入れることが出来れば、という思いで生まれたケーキバッグのミニバージョンです。
ベルトループやバッグにつけることのできる大きさです。
公式ルックで感じる「20XX」の世界観







発表されたルックでは、CRATER TAILORED JACKETやFLOWER HOLE LEATHER JACKETがシーズンを象徴するキーアイテムとして取り上げられています。過去シーズンを彷彿とさせながらも、新たなカラーや加工技術が融合したスタイリングは、“懐かしさ”と“革新性”を同時に感じさせる仕上がり。MASUの世界観をより深く味わう手がかりとして、ぜひ公式ルックもチェックしてみてください。
デリバリー時期と取扱店舗
25AWコレクションの第一弾入荷は7月予定、第二弾は8月と段階的にリリースされる見込みです。
当店の京都店舗に加え、オンラインストアでも同時展開を行いますので、
遠方の方でも最新アイテムを逃さずチェック可能です。
既存ファンへ:手持ちアイテムとの相性
今季は、過去シーズンのアイテムとの組み合わせを積極的に楽しむのがおすすめです。
例えば22AWのパンツに25AWのCRATER TAILORED JACKETを合わせることで、どちらのシルエットも活かし合いながら、新鮮なバランスを演出できます。
アーカイブをお持ちの方は、ぜひ新作と融合させてみてください。
CRATER TAILORED JACKETやFLOWER HOLE LEATHER JACKETなど、すでに旧モデルをお持ちの場合は、同素材または同系カラーをベースにしつつ、今季の配色を差し色として取り入れてみるのも面白いでしょう。
ブランドの世界観をより拡張できるコーディネートが多数生まれるはずです。
最新情報を手に入れる:当店での購入とサポート体制
最速入荷情報とオンラインストア活用法
当店では、最新入荷情報をメルマガやSNSでリアルタイムに配信しています。
オンラインストアでの購入もスムーズに行えるよう、サイズや素材、ディテール写真など充実した情報を用意しておりますので、ぜひご利用ください。
京都店舗での試着とスタッフアドバイス
店頭では実物を手にとって素材感やシルエットを確認可能です。
スタッフはMASUのアーカイブや新作に精通しており、コーデ提案やサイズ選びのアドバイスも行っていますので、ぜひお気軽にご相談ください。
25-26AW(秋冬)コレクションの核心的魅力
MASUが打ち出した『20XX』というテーマは、ブランドの歴史を総括しながら、現在のファッションシーンに一石を投じる意欲作です。
アーカイブの再解釈と新たな技術の融合によって、過去と未来を同時に感じさせるコレクションに仕上がっています。
ファンも初挑戦の方も、MASUの魅力を知る絶好の機会
既存ファンにとっては、定番へのアプローチが深まったことで、旧モデルとの組み合わせがより楽しくなるシーズン。
新規の方には、流行に左右されない普遍的な価値が詰まったアイテム群を最初の一着として選べる好機でもあります。
そして、過去に話題になったアイテムが多数リリースされる25-26AWシーズンは、MASUの入り口として絶好の機会でしょう。
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