本日はFASCINATE_THE R(大阪 心斎橋)とFASCINATE KYOTO(京都 河原町)の両店で取り扱っている各ブランドから、ブルゾンにフォーカスを当てたブランド別にセレクトしたアイテムをご紹介。
前回のニット編に続き、今回はブルゾン編ということでより実用性が高く長いシーズン着用可能であるブルゾン類から、耐久性や防寒性に優れたブルゾン類まで幅広くセレクトしております。
是非チェックして、ブルゾンをコーディネートの一部として加えてみてはいかがでしょうか。
KLASICA | 丸みを帯びた構築的シルエット。インナーに着込めるデッキジャケット
Volume sleeve tankers Blouson (Mix Brown) / 25F-TNK- A03
古いアメリカのデッキジャケットから着想を得て製作したKLASICA(クラシカ)のワイドアームボリュームブルゾン。最大の特徴は、ケンピツイードを独自の解釈で再現したウール混紡生地にあります。糸の番手をあえて下げることで素朴さを出し、さらにガーメントウォッシュ加工を施すことで、実際の手触りはややざらっとした質感とともに、まるで長年着古したアンティークのような独特の雰囲気を醸し出しています。
背中にたっぷりと施されたギャザーと袖のタックが生み出す丸みを帯びたルーズなシルエットは、単に構築的で存在感があるだけでなく、インナーに厚手のものを着込んでもごわつかないという実用的なメリットも備えています。高めに設定されたネックのリブデザインがミリタリー由来の無骨さを強調する一方で、ナッツボタンや滑らかな開閉を誇るエクセラジップなど、細部のパーツ選びには繊細なこだわりが光ります。
保温性と防寒性にも優れており、寒さが出始めた秋口から春先まで、主役として長く活躍する一着です。
DEVOA | マットなウールギャバジンと丸みのある造形。大人のハイネックダウン
Down Jacket Salt Shrink Wool (BLACK) / DKJ-MSRH
DEVOA(デヴォア)が提案する、首元、袖、裾がリブ仕様になったMA-1タイプのハイネックダウンジャケット。まず袖を通した瞬間に驚かされるのは、その圧倒的な「軽さ」です。中綿にはフィルパワー800以上の高品質なグースダウンを贅沢に使用しており、見た目はダウン特有のボリューム感がありますが、実際の着用感はまさに「羽毛を纏っているような」感覚。見た目以上の軽さと、ストレスフリーで身体に馴染む独自のパターンメーキングにより、気楽に着用できる機能性の高さを実感していただけます。
表地には塩縮加工を施したウールギャバジンを採用しており、きめ細かくマットな風合いが、スポーティになりがちなダウンジャケットを上品かつ大人なアイテムへと昇華させています。また、肌に直接触れる襟元や袖口のリブにはネパール産カシミアを混紡したオリジナル素材を使用し、ふんわりとした極上の肌触りと暖かさを確保しました。シルエットは丸みを帯びたレギュラーフィットで、着丈をコンパクトに設定することでスタイリッシュな印象に。ポケットフラップのマグネット仕様やYKKエクセラのダブルジップなど、細部の利便性まで追求された一着です。
ISŌ | 6種の生地がつくる独創性。ミリタリーとモードが共存するパッチワークMA-1
Patchwork Cotton Bomber Jacket (Black) / ISO-017-JAK
1950年代に製造されていたMA-1の最初期モデルをベースに、ISŌ(イソウ)らしい大胆な解釈を加えて製作されたボンバージャケット。最大の魅力は、リップストップ、サージ、キャンバスなど組成の異なる6種類の生地をランダムにつなぎ合わせたオリジナルのパッチワーク生地。この複雑な素材使いが独創的な雰囲気を演出し、ミリタリーの無骨さとモードな感性を高い次元で共存させています。
デザイン面では、酸素マスクのホースを固定するオキシジェンタブや、通信コードを留める脇下のタブといったマニアックな本格ディテールを忠実に再現しつつ、裏地には地図をプリントした生地を配するなど、見えない部分まで徹底的に作り込まれています。シルエットはドロップショルダーのルーズ仕様。実際の着用感としては、着丈がやや短く、その分身幅にたっぷりと分量を持たせた設計になっているため、インナーに厚手のものを着込んでも全く問題がないほど余裕があります。内部には薄く中綿が入っており、見た目以上に保温性が高く、寒くなり始めた秋口から春先まで長く活躍する一着です。
CROMAGNON | 尾州産ウールにシリコン含浸。"張り感"と防風性を備えたMA-1
MA-1 Jacket Wool Gabardine (BLACK) / CJ-LSRGB
CROMAGNON(クロマニヨン)の無駄な装飾を一切廃したミニマムな雰囲気が魅力のMA-1ボンバージャケット。一見するとシンプルなデザインですが、素材には日本国内の尾州産地で製作されたウールギャバジンを使用し、そこにシリコン含浸加工を施すという徹底したこだわりが詰まっています。これにより、実際の手触りはサラッとしていながらも、頑丈でしっかりとした独特の「張り感」と、わずかな光沢を帯びた上品な表情が生まれています。この加工は生地の目を詰まらせるため、軽量でありながら高い保温性と防風性を実現しているのも特徴です。
シルエットはルーズフィットで着丈は短めですが、身幅の分量をやや広く設定しているため、着用すると絶妙な「丸みのあるシルエット」を演出します。中綿には機能素材であるシンサレートEXソフトを採用し、真冬でも十分な暖かさを確保。フロントのホワイトシルバーのYKKエクセラジップや、マグネット留めのポケットなど、細部まで洗練された大人の印象を与える仕上がりです。ノームコアスタイルを好む方や、シンプルに見えて実はこだわりの詰まったアイテムを探している方に特におすすめしたい、流行に左右されず長年愛用できる一着です。
Maison MIHARA YASUHIRO | 遊び心が宿るレイヤードデザイン。キルトフード一体型フライトジャケット
Hooded Bomber Jacket (Black) / A15BL062
Maison MIHARA YASUHIRO(メゾン・ミハラヤスヒロ)が得意とする「再構築」のアプローチが存分に発揮された、キルトのインナーブルゾンがドッキングした中綿入りMA-1フライトジャケット。このアイテムの最大の魅力は、まるで複数のアウターをレイヤードしているかのような複雑で遊び心あふれるデザインと、その圧倒的なフォルムにあります。実際に袖を通すと、単なるオーバーサイズという言葉では片付けられない、まるで「宇宙服」のような構築的でボリューム感のあるシルエットが出現し、ブランド独自のユニークな世界観を全身で感じていただけます。
素材にはタフなナイロン製を採用しており、急な天候変化にも対応できる防水性と、真冬の寒さを凌ぐ高い保温性・防寒性を兼ね備えています。裏地とフード部分はキルト仕様になっており、見た目の重厚感に対して身体を優しく包み込むような暖かさもポイントです。また、ボリュームのある身頃に対し、MA-1ならではの袖や裾のリブのフィット感が非常に良く、冷気の侵入を防ぐとともにシルエットにメリハリを与えています。全体的にかなりゆったりとしたサイズ感のため、厚手のニットやスウェットなどをインナーにたっぷりと着込むことができ、冬のスタイリングの主役として圧倒的な存在感を放つ一着です。
Maison MIHARA YASUHIRO | 鷲の刺繍とフェード加工。フーディーが融合した進化系スーベニアジャケット
Reversible Souvenir Jacket (Black) / J15BL143
Maison MIHARA YASUHIRO(メゾン・ミハラヤスヒロ)のブランド定番であるスーベニアジャケットを、より現代的かつユニークにアップデートした一着。まず目を奪われるのは、コットンレーヨンのサテン生地に施された巧みなフェード加工です。実際に触れると、サテン特有の"ツルッ"とした滑らかな肌触りがありながら、まるで長年着込まれてきたかのようなリアルなヴィンテージ感が表現されており、ブランドならではの高度な加工技術を感じさせます。
デザイン面では、スウェットフーディーがドッキングされたレイヤード風の構築になっており、これ一枚着るだけでスタイリングが完成する遊び心が魅力。そこに胸元と背面の力強い「鷲(ワシ)」の刺繍が加わることで、スーベニアジャケット本来の不良っぽさと、ミハラらしい独自性が高いレベルで融合しています。さらに、裏返して着用可能な2WAYリバーシブル仕様となっており、その日の気分やシーンに応じて全く異なる表情を楽しめるのも嬉しいポイントです。着用感はややオーバーサイズの設定ですが、決して大きすぎない絶妙なバランス。秋口には主役のアウターとして、真冬にはこの上からコートを羽織ることも可能なサイズ感のため、コーディネートのアクセントとして長いシーズン活躍します。
MASU | 過去と未来の融合。"20XX"を象徴するニードルパンチ・ボンバー
ANGEL BOMBER JACKET (Gray) / M25F9BL003
MASU(エムエーエスユー)の今シーズンのテーマである"20XX"を、最も象徴的に体現した一着と言えるボンバージャケット。一見して心を奪われる天使のグラフィックもさることながら、特筆すべきはその生地の成り立ちです。2021FWコレクションで発表された「ポップコーントップス」のポリエステル素材と、2024FWコレクションのスタジアムジャンパーに使用される「メルトン」という、異なるシーズンの記憶を持つ二つの素材を、ニードルパンチという技法で物理的に接合。これにより、実際の手触りはやや"ざらっと"した独特の質感となり、単なるプリントや織りでは出せない上質で奥行きのある表情が生まれています。まさにシーズンの垣根を越えて一つになるというコンセプトが、服という物質に落とし込まれています。
シルエットは、MASUが得意とする着丈を極端に短くしたショート丈に対し、袖丈を長く設定した現代的なバランス。さらに身頃と袖の裾に施されたタックが、全体にふくらみのある「丸みを帯びたシルエット」を生み出し、着るだけで他とは違う独自性を纏うことができます。裏地には中綿入りのキルティングを使用しているため保温性も高く、前衛的なデザインでありながら冬のアウターとしての機能もしっかりと果たす一着です。
doublet | 剥がれ落ちるフロッキー。"違和感のある日常着"を体現するデニムスカジャン
Flocked Denim Souvenir Jacket (Balck) / 25AW20BL237
doublet(ダブレット)が掲げる「違和感のある日常着」というコンセプトを、最も色濃く具現化したかのようなスーベニアジャケットです。戦後の兵士たちが記念品として持ち帰った刺繍入りブルゾンをルーツとしつつ、そこにある種の狂気とユーモアを混ぜ合わせたような独自のアプローチで製作されています。最大の特徴は、デニム生地の表面を覆うフロッキープリント加工です。実際の手触りは驚くほど"サラッ"としており、デニム特有の硬さはなく、柔らかく肌触りの良い質感に仕上がっています。このフロッキー加工が放つわずかな光沢感と、そこに施されたどこか不気味さを感じる刺繍のデザインが相まって、他ブランドにはない独特で妖艶な雰囲気を放っています。
さらに、このフロッキーは着込むほどに少しずつ剥がれ落ち、その下から隠されたデニム"本来の姿"が現れるという仕掛けが施されています。時間の経過と共に表情を変え、経年変化そのものをデザインの一部として楽しむことができるのです。シルエットはアームホールを深めに設定し、身幅を広く取ることで、全体的に丸くボリュームのあるルーズなフォルムを形成。一方で着丈はやや短めに設定されているため、ルーズでありながらも全身のバランスが非常に取りやすく、インナーに厚手のものを着込めるゆとりもしっかりと確保されています。
JULIUS | 上品な光沢と美しいドレープ。キュプラタフタで魅せるモードなMA-1
CUPRO TAFFETA BLOUSON (BLACK) / 907BLM1
キュプラタフタ生地を使用したJULIUS(ユリウス)のルーズシルエットのMA-1ブルゾン。ミリタリーの定番であるMA-1をベースにしながらも、素材にスーツの裏地などにも使われる高級素材「キュプラ」を採用することで、全く新しい表情の作品に仕上がっています。実際の手触りは、サラッとした質感と滑らかな肌触りが特徴で、非常に薄く軽やかな生地感です。この素材選びの最大の妙は、着用した際に生まれる美しい「ドレープ」にあります。一般的なMA-1のようなハリのある膨らみではなく、生地がしっとりと体に沿って落ちることで、JULIUS独自の世界観が漂うモードな雰囲気を醸し出します。
シルエットはルーズフィットですが、単に大きいだけではなく、着丈と袖丈を長めに設定しつつ、身幅はダボっとなり過ぎない絶妙なサイズバランスを構築。これにより、ゆったりとした印象を与えながらもスタイリッシュに決まります。左胸と背面には今季らしいプリントが施され、シンプルなデザインの中のアクセントに。着用感は驚くほど軽く、ストレスフリー。秋口の羽織としてはもちろん、その薄さと滑りの良さを活かして、冬場にはコートのインナーとしてレイヤードすることも可能な、非常に汎用性の高い一着です。
RIPVANWINKLE | "強縮絨"が生むエアリーな肉厚感。異素材コンビネーションMA-1
Combination Solid MA-1 (Black) / RB-737
RIPVANWINKLE(リップヴァンウィンクル)が掲げる「クラシックとコンテンポラリーの融合」というブランドコンセプトを、素材使いとデザインで完璧に共存させた象徴的なアイテム。一見すると馴染みのあるMA-1ですが、前後で全く異なる表情を持つコンビネーションデザインが採用されています。フロントには扱いやすくスポーティな「ケアフリージャージ」を使用し、現代的な機能性を確保。一方で、このアイテムの真骨頂は背面にあります。ウールのTOP糸にポリエステルリネンを撚糸させた拘りの素材を、あえて甘く織り上げてから「強縮絨(きょうシュクジュウ)加工」を施すことで、目が詰まりながらも空気を含んだ、肉厚でエアリーなボリューム感を持つ「ジャパンツイードジャージ」へと進化させています。
実際の手触りは、ツイードの見た目に反して非常に"ふんわり"とした質感で、重さを感じさせないストレスフリーな着心地を実現しています。また、サイドに配されたファスナーを開閉することで、インナーの厚みに合わせたり、Aライン気味に見せたりとシルエットの変化を楽しめるのもポイント。異素材のコントラストが秀逸なデザイン性と、ジャージ素材ならではの高い機能性を兼ね備えた、まさにブランドの美学が凝縮された一着です。