国内ブランドを中心に、新作の入荷ラッシュが続いています。
店内は一気に秋冬の様相を呈し、今すぐ着用できるアイテムから本格的な秋物まで、充実のラインナップとなりました。
今回はその中から、FASCINATE_THE R(大阪 心斎橋)とFASCINATE KYOTO(京都 河原町)の両店で取り扱っているD.HYGEN(ディーハイゲン)25-26AW(秋冬)コレクションより入荷した、新作のフードジャケットとスリムパンツを中心にご紹介します。
ブランドの定番として展開されてきたアイテムに、今季ならではの新たなニュアンスが加えられた、注目のコレクションです。
岡山児島の職人と作り上げたフードジャケット
まずご紹介するのは、ブランドのアイコンとも言えるハイネックフードジャケット。
本作は、世界屈指のデニム加工技術者が集まる岡山県児島に拠点を置く職人との、昨シーズンから続くコラボレーションシリーズの一つです。
ブランドが持つ重厚な世界観に日本の伝統的な「刺し子」のテイストを取り入れ、ステッチワークからリペア加工まで、そのすべてが職人の手作業によって施されています。
一点一点に時間と技術が注ぎ込まれた一着です。
デザイナーと職人の対話が生んだ、唯一無二の表情
このジャケットの表情は、デザイナーと職人の密な対話から生み出されました。デザイナー自らが工場に足を運び、職人と直接イメージを共有しながら、色味、ステッチの太さ、糸の間隔といった細部に至るまで、幾度となく試作を重ねたと言います。
その結果生まれたのが、まるで長年着込んだかのようなリアルな色褪せや生地の風合い、そしてハードな着用履歴を物語るかのようなリペア跡です。
一つ一つの加工はランダムに見えながら、ジャケット全体として見たときには、どこか作為的な静けさを感じさせるよう配置されています。
挑戦から生まれた、新たなリラックスシルエット
シルエットは昨シーズンから継続する、全体的に少しゆとりを持たせた新しいフィットへと進化。
「リラックスしたシルエットの中で、いかにD.HYGENの世界観を表現できるか」という挑戦から生まれたこの形は、従来よりも格段に着用しやすくなっています。
着丈は長めに設定しつつも、裾に向かって緩やかに絞ることで、腰回りがもたつかないよう緻密に設計。
この着丈は、幾度ものサンプル制作を経て導き出されたものです。
スリムパンツと合わせれば縦のラインが強調され、ジョガーやクロップドパンツと合わせても裾と足元の間に適度な空間が生まれるため、重たい印象になりません。
ボトムスのシルエットを選ばない汎用性の高さも、このジャケットの大きな魅力の一つです。
軽さと重厚感が共存する、オリジナル裏毛素材
素材は、デザイナーが「これ以上の裏毛はない」と自負するオリジナル開発のコットン生地です。
糸に撚りをかけずに編み立てる「無撚糸」の手法を用いることで、繊維が空気を含み、まるで上質なタオルのようにふっくらとした質感を生み出しています。
裏起毛による保温性を確保しつつも、秋口から春先まで着用できるよう生地の厚みは抑えられています。
実際に袖を通すと、まずその見た目からは想像できない軽さに気づくはずです。肩にかかる重量感はほとんどなく、肘の曲げ伸ばしにも生地が自然についてくる伸縮性を備えています。
ダメージ加工による重厚な見た目と、日常の動作を一切妨げない軽快な着用感。
この心地よい裏切りこそ、D.HYGENが追求する機能性と世界観の両立を体現しています。
インナーに今季新作のレイヤードTシャツを合わせました。
前身頃がファスナーで開閉でき、インナーとして着用した際に覗くファスナーが絶妙なアクセントになります。
D.HYGENの持つマットでソリッドな素材感は、他のアルチザンブランドのアイテムと組み合わせることで、さらにその魅力を増します。
例えば、WERKSTATT MUNCHENのシルバーアクセサリーが持つ鈍い光沢はジャケットの黒を引き立てるアクセントとなり、RIGARDSの独創的なフレームは顔周りに緊張感とモードな雰囲気を与えます。
異なるブランドのテクスチャーを組み合わせることで、スタイリングに奥行きと複雑さが生まれます。
音楽カルチャーを着想源とした、ストレートスリムパンツ
次にご紹介するのは、昨年から登場したストレートスリムシルエットのパンツです。
ブランド設立当初から続くカーブスリムパンツと同じサイジングながら、新たなカッティングでよりシンプルなストレートシルエットを表現しています。
まず、深みのある黒を表現するために、色落ちしにくい**『反応染め』で生地を染め上げます。
その上から、大きな石と共に洗い込む『ハードストーンウォッシュ』を施し、着古したようなアタリや色褪せを再現。
さらに、職人が手作業でダメージとリペアを加え、最後に表面を微かに『コーティング』することで、レザーのような鈍い光沢と、汚れの付着を軽減する効果を加えています。
これらの幾重もの工程が、単なるダメージ加工ではない、奥行きのある表情を生み出すのです。
クラストコアへの敬意と、D.HYGENの現代的解釈
デザインの着想源となったのは、1980年代半ばのイギリスで生まれた音楽ジャンル「クラストコア」と、そのシーンを象徴するファッションです。
黒を基調とし、意図的に汚され引き裂かれた衣服へ、布切れ(パッチ)を何層にも渡って無造作に縫い付けるのがその特徴でした。
しかし、重要なのはこれが単なる過去のスタイルの再現ではないという点です。
デザイナーが影響を受けたメタルやハードコアパンクといった音楽カルチャーへの敬意を込めつつ、あくまでD.HYGENとしてのフィルターを通して現代的に再解釈しています。
スタイルサンプル
モデル 181cm/62kg. 着用サイズ:ジャケット/サイズ2,シャツ/サイズ1,パンツ/サイズ1,シューズ/サイズ43
ルックで見る、もう一つの可能性


モデル 180cm/52kg. 着用サイズ:ジャケット/サイズ2,ニット/サイズ3,パンツ/サイズ2,シューズ/サイズ2
今回はスリムパンツとの組み合わせでご紹介しましたが、ブランドのルックでは、インナーをニットに、パンツをジョガークロップドパンツに切り替えたスタイルも提案されています。
こちらもぜひ参考にしてみてください。
トレンドに迎合しすぎることなく、自分たちのスタイルを貫く。
D.HYGENの服作りには、常にそうしたある種の反骨精神が根底に流れています。
職人の手仕事への深い敬意と、デザイナー自身のルーツである音楽カルチャーからの影響。
今回ご紹介したアイテムには、まさにブランドの思想そのものが色濃く映し出されていると言えます。
当店にはその他にも、多数のアイテムを取り揃えております。是非、当店FASCINATE_THE Rにお立ち寄りください。皆様のご来店をお待ちしております。