
今季からFASCINATE_THE R(大阪 心斎橋)で取り扱いをスタートした STOVAIGH(ストヴァーグ)。
まだ日本国内での取扱店も少なく、知名度の高くないブランドですが、東洋の繊細さと西洋の力強さを融合させた繊細で独特な感性と、非常に高いレベルのものづくりで、今後が期待されるブランドです。
本記事では、STOVAIGHの魅力を、ブランドコンセプト、特徴、そして最新コレクションを通して紐解いていきます。
STOVAIGH(ストヴァーグ): 職人技が光る、時代を超越する服作り
STOVAIGH(ストヴァーグ)は、2022年に中国・杭州で設立された新進気鋭のブランドで、今シーズンで3シーズン目を迎え、年に一度コレクションを発表しています。
デザイナーにとって、デザインと職人技の原体験は、木彫り職人であった祖父の姿だそうで、作品を生み出す祖父の佇まいは、彼の創作活動の根底に流れる哲学を育みました。
また、CARPE DIEM(カルペディエム)の設立者であり、現在はm_moriabc(メモリア)を手がけるマウリツィオ・アルティエリ氏との出会いも、デザイナーに大きな影響を与えた人物の一人であり、アルティエリ氏の妥協なき職人技への集中力と完璧主義は、彼に多大な影響を与え、共に挑んだ幾つかのプロジェクトで得た経験は、STOVAIGHのものづくりに対する姿勢を確立するに至りました。
日々の生活から生まれるインスピレーション: 繊細なディテールと職人技が織りなす奥行き
インスピレーションの源泉となるのは、古いアーカイブから得た原始的な知識の本質、そしてデザイナー自身が日々の生活での体験です。
例えば、柔らかいベッドに横たわったときに感じる、背中と肩が繋がっているような感覚をパターンメイキングで表現できないか、という発想から生まれた作品もあります。
東洋の思想や美学、古い写真などから得た文化的なインスピレーションと、西洋的なテーラリング技術を融合させることで、力強さと静寂さを併せ持つ独自の美学を追求しています。
個々のアイテムには一目見て分かるような派手なデザインはありません。
基本的に非常にシンプルでありながら、ショールカラーの切り替えやパッチとスラッシュを掛け合わせたポケットなど、注意深く見ると、ほんの少しだけ個性的な要素が顔をのぞかせる、精密に計算されたディテールがさりげなく隠されています。
細部にまで施された繊細で美しい作り込みが醸し出す雰囲気が、STOVAIGHの確かな存在感を際立たせています。
また、STOVAIGHにとって、職人の手による制作プロセスもデザインの一部として非常に重要です。卓越した縫製技術はブランドの根幹を成し、作品に深みと奥行きを与えています。
STOVAIGHは、ある種の不完全さを感じさせるデザインを、完璧な職人技で仕立て上げることで、一見対立する要素が互いに影響し合い、調和を見出すことで、独創的な世界観を生み出しています。
STOVAIGH(ストヴァーグ)が選ぶ、心に響く生地とは? 素材への哲学と美学
STOVAIGHは生地の選択に際し、非常に高い基準を設けています。生地の特徴を巧みにデザインに落とし込むことに長け、糸、職人技、色、構造、生産環境、あらゆる条件において一切の妥協を許しません。
日本の工場が提供する古い生地のサンプルも、STOVAIGHの生地探求における重要なインスピレーション源となっています。
コレクション用の生地を調達する際には、STOVAIGHは外見的な美しさだけでなく、内面に潜む真の美しさ、心の奥底に響く美しさを求めるそう。
そのため、生地によっては開発に長い年月を要することもあります。熟練の老織工がたった一人で織り上げた生地など、STOVAIGHが採用する生地は実に様々です。
例えば、このコートに使われているコットン糸と和紙糸を組み合わせた生地は、表と裏で全く異なる手触りを実現しています。
ベルベットのような滑らかな質感と光沢感、そして独特の構造が、STOVAIGHの生地へのこだわりを物語っています。
裏地に使われているのはアンティークシルク。
貴州省の山奥に住むカム族の染色技術を用いたものや、墨染めで微妙なダークグリーンの色合いと質感を表現したものなど、様々なバリエーションがあります。
サードコレクションについて: 「無」の世界観から生まれる、深み
STOVAIGHの最新コレクションは、過去も未来もなく、探求も目的もなく、「無」さえも存在しない、ただ、静寂の中に力強さを秘め、奥深い世界観が広がっている様子を表現。
精緻で深みのある色使い、厳選された素材、そして複雑な生地開発のエッセンスが、作品に深みと奥行きを与えています。
年に一回のコレクションということで、明確な着用シーズン設定したアイテムが少なく、軽すぎず重すぎず、長い季節で着用できるアイテム構成になっています。
ここからはいくつかピックしてご紹介してきます。
ダブルコート: 2つの表情を楽しむこだわりのディテール
STOVAIGHを代表するアイテムの一つ、クラシカルなダブルコートは、ゆとりのあるシルエットながら、縦のラインが美しい一着。
左のフロントボタンは、ボタンホールに隠すことができるというユニークなディテールが施されていて、ボタンを隠せばシングルコートに、見せればダブルコートにと、2つの表情を楽しむことができます。
素材は染色されていない天然ウール糸と染色されたリネン糸を、特殊な綾織り構造で織り合わせ、デザイナーの地元で自然乾燥させることで、独特のシワのテクスチャを形成しています。
縦横で異なる太さの糸が織りなす、わずかな凹凸による陰影が、奥行きのある表情を生み出します。
天然繊維でありながら、自然本来の色合いと人工着色という相反する要素を、陰陽に見立て、 それらが絡み合い調和へと向かっていく様を表現しています。
伝統的な日本の淡墨染め技法で染色することで、グレーの渋さとバイオレットの妖艶な雰囲気が融合した、非常に味わい深い風合いに仕上がっています。
ノーカラージャケット: ミニマルデザインに宿る東洋の趣
コートと同じ素材を使用したジャケットは、ミニマルなノーカラーデザインに、パッチポケットや切りっぱなしディテールといった粗野な要素をプラスすることで、STOVAIGHらしい独特な雰囲気を醸し出しています。
襟元からは、どことなく着物や作務衣を思わせる東洋的な趣も感じられます。
ルーズなシルエットでありながら抜け感を出しすぎず、洗練された印象にまとめ上げた、絶妙なバランス感覚が光る一着です。
シルクプリントシャツ | 塩染め技法で表現する芸術的な感性
ブランド創設時から研究を重ねてきた、STOVAIGHの代表的なデザインであるシルクプリントをあしらったシャツ。
ウリ科の植物であるキカラスウリの花を、セピア色の写真を想起させる儚げなプリント。STOVAIGH独自の塩染め技法で表現しています。
インバーテッドプリーツのようなカフスのデザインも、STOVAIGHの遊び心が感じられるディテールです。
素材は薄手で非常に柔らかく動きのあるリネン素材。
パンツ | 墨染めによる陰影が美しい総柄
ブランド創設時から研究を重ねてきた、STOVAIGH独自の塩染め技法を用いたシルクプリントが目を引きます。
ウリ科の植物であるキカラスウリの花を、セピア色の写真を思わせる儚げなプリントで表現しています。
インバーテッドプリーツのようなカフスのデザインも、STOVAIGHらしい遊び心を感じさせるディテールです。
素材には、薄手で柔らかく、美しいドレープを描くリネン素材を採用しています。
ちなみに、キカラスウリの花言葉の一つは「平凡の非凡」です。 林の縁や藪などによく生えているにもかかわらず、実際にはあまり見られないことから、この花言葉が付けられたそうです。
ありそうでない、という点はSTOVAIGHの服作りにも通じるものがありますね。
土臭さを感じさせる素材の表情とモダンなテーラリング。
精緻で深みのある色使い、厳選された素材、そして複雑な生地開発のエッセンスが作品に反映され、STOVAIGHの奥深い世界観を構築しています。
ぜひ店頭でその魅力を感じ取ってください。
本日ご紹介した商品はこちら
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STOVAIGH Stovaighed Coat (dark grey violet) $1,160.00
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STOVAIGH 3 Buttons Multiple Mandarin Collar Coat (shadow violet) $993.00
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STOVAIGH Relaxed Fit Coat (green) $722.00
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STOVAIGH Double Breasted Blazer (dark grey violet) $649.00
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STOVAIGH Shadow Print Shirt (shadow grey) $422.00
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STOVAIGH Salted Silk Print Shirt (black) $382.00
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STOVAIGH Lie Down Cut Shirt (dark grey violet) $315.00
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STOVAIGH Shadow Print Trouser (shadow grey) $672.00
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STOVAIGH Cropped Trouser (brownlish green) $378.00
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STOVAIGH Cropped Trouser (dark grey violet) $329.00
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店舗情報
FASCINATE_THE R
- 郵便番号
- 542-0086
- 住所
- 大阪府大阪市中央区西心斎橋1丁目5−25 ジネスビル1階
- 営業時間
- 平日 12:00~20:00 土日祝 11:00~20:00
- 電話番号
- 06-6210-5536
FASCINATE KYOTO
- 郵便番号
- 604-8044
- 住所
- 京都府京都市中京区御幸町通四条上ル大日町416-5 1F
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- 12:00~20:00
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