モードとアヴァンギャルドを絶妙にミックスしたリアルクローズを展開する「D.HYGEN(ディハイゲン)」。
今回は、同ブランドを象徴するスリムデニムパンツにフォーカスし、生まれた背景と進化のポイント、パンツに施されたディテールと素材へのこだわり、26SSコレクションのラインナップをご紹介します。
パンツの特徴:複雑なパターンとシルエット
スリムデニムパンツは、シームとダーツで立体感を待たせ、膝下からは後方向に加えて、横方向にもツイストさせたパターンで構成されています。
ひざの辺りから細かくダイナミックなシワが入る立体的なシルエットが最大の特徴です。
単純に数値を細くするだけでなく、後股ぐりを排除し、ヒップラインにゆとりを持たせたり、わたり幅や裾幅などの細かい数値を調整しています。
視覚的にも身体的にもストレスなく"綺麗に見える"ラインを追求しています。
穿いた時に膝周辺に細かいシワが寄り、脚を細く長く見せるような補正効果も当然あるのですが、それ以上に「純粋なファッションアイテムとしてのカッコよさ」が際立ちます。
平置きにした状態だと「ここまで曲がっているのか」と驚かれるほど直線のない強烈なカーブを描いていますが、脚を通すとその全ての曲線が理にかなっていることを実感していただけます。
裾は前が浅く、後ろが深い形状を取り入れることで、ブーツやスニーカーを合わせたときに最適なフォルムを実現。
ダーツや捻りを加えた複雑なパターンにより、動きを阻害せず、立体感とシワの美しさを両立しています。
さらに実物を穿いていただくとわかるのですが、少しだけシューカット気味に設計されているのも大きなポイントです。
FASCINATEで扱っているようなボリュームのあるスニーカーや、シャフトの太いアルチザン系のブーツを合わせた際にも、裾が靴の甲で変にダブつくことがありません。
変な溜まりを作らずにスッと綺麗にシワが落ちてくれるため、どんなシューズを合わせても足元の収まりが非常に良く、コーディネートの土台がビシッと決まります。
ウエストのサイズ感も"腰履き"を前提に考えられており、5cm幅のウエストベルトやベルトループ配置へのこだわりが反映されています。
こうしたパターンテクニックによって、D.HYGENは履く人の動きに合わせてシルエットが崩れにくいデニムを実現しているのです。
「D.HYGEN」という他に類を見ない世界観を確立
ベーシックなスタイルを一度解体し、再構築することで独自のリアルクローズを生み出すD.HYGEN。
インダストリアルやミリタリー、ワークウェア、そして日本の伝統的要素など、多彩なインスピレーションを組み合わせながら、ダークトーンを基調とした美学を貫いています。
レザーやデニムといった特殊素材の加工技術にも長けており、細部への徹底的なこだわりによって他に類を見ない世界観を確立。
ファッション性と耐久性・機能性を同時に追求しているのが大きな特徴です。
コンセプトは「STRAINISM(ストレイニズム)」
D.HYGENの中核コンセプトは「STRAINISM(ストレイニズム)」。
これは「緊張主義」と強く結びついており、「HAI_GEN(ハイゲン)」という諺にインスパイアされています。
糸(ストリング)と人間の相互作用によって、衣服という制約を逆手に取りながら主体性を発揮するという深い哲学を含んでいるのです。
「STRAINISM」は、着用者とクリエイター双方に緊張感や高揚感を与えるプロダクトを作り出すことで具体化されます。
単なる美学や機能性に留まらず、服を通して着る人の意識や感情に積極的な影響を与えることを意図している点が、D.HYGENの大きな特徴といえます。
シャープなシルエットに身を包んだ時の身が引き締まる感覚や、重厚な生地の質感がもたらす「特別な服を着ている」という高揚感と緊張感は、まさにこのSTRAINISMをダイレクトに体感できるポイントです。
また、ベーシックなスタイルを一度「解体」して再構築するというデザインアプローチは、既存の服を批判的に捉えながら新たな形へと変貌させるものです。
レザーやデニムなどに対して特殊な加工技術を施し、インダストリアルでラギッドな美学を打ち出しつつ、高い機能性と耐久性を両立。
シルエットやディテールも常に進化を続け、ダークトーン基調の中でも緊張感あるコントラストを取り入れることで、着用者の心を引き締める効果を狙っています。
こうした哲学的背景と実験的なデザインが融合しているからこそ、D.HYGENは国内外で独自のポジションを確立しているのです。
D.HYGENのスリムデニムパンツの魅力
スリムデニムパンツの変遷
D.HYGENのスリムデニムパンツは、ブランド設立当初から継続して制作しており、細身であることを軸に微調整やアップデートを重ねてきました。
実は、当初は毎シーズンごとにパターンを変えていたという経緯があります。
その時々にできる最高の形を作り続けるためにパターンの試行錯誤を繰り返し、使用するデニム生地自体も少し変えたりしながら進化を続けてきました。
内側にカーブを入れたり、部分的にダーツを配置するなどのデザインを施していたものの、「細身シルエット」というコンセプトは常に一貫しています。
過去から積み重ねてきた試行錯誤の集大成として、2年ほど前に現在の形へと辿り着きました。
後ろにカーブを入れ、内側に捻りを加えた形は22-23AWから本格的に作られ始め、ブランドとしても「コアになる形」として納得しているとのこと。
チェリーサンバーストとのコラボも同時期にスタートし、D.HYGENが考える"定番ながら常に進化を続ける"デニムの姿勢が凝縮されています。
スリムデニムを作り続ける理由
D.HYGENでは、デニムパンツという"メンズ服の普遍的なもの"を「どこまで変化させられるか」という実験的精神を持っています。
ただし、全く別物に変えてしまうのではなく、細身という軸を残しつつ少しずつアップデートを加えるのがD.HYGEN流。
本当の定番とは「同じもの」のはずですが、D.HYGENの定番はあえて「ちょっと変える」ことで、新鮮さを保ちながらもブランドのマインドを反映し続けているわけです。
そして、2年前にコアとなる形に行き着いたとはいえ、決してそこで立ち止まっているわけではありません。
まだ試行錯誤は続いており、「毎シーズン少しでも良くしよう、新しくしよう」という探求心は今も強く持ち続けています。
ディテールへのこだわり
ウエストベルトは5cm、ループの配置にもこだわり
腰ばき(少し下げて履く)を想定しているため、ウエストベルト幅はやや太めの5cm。
下で履くことで、ラフになりすぎない絶妙な"抜け感"を生み出します。
スリムパンツをジャストウエストで穿くと、どうしてもカッコつけすぎている感が出てしまうことがありますが、このデザインのおかげでそれが程よく和らぎます。
短丈のレザージャケットでも、少し長めのカットソーでも、トップスの丈を問わず全体のバランスが非常に取りやすい設計になっています。
両脇のベルトループは小さめにしつつ幅を大きくとり、ウエストに縫い込むことで脇が浮かないよう設計。
右後ろのベルトループはウォレットチェーンをつけるためにあえて並列するなど、細やかな配慮が施されています。
ベルトループやポケットひとつをとっても「ここまでやるんだ」というくらいに狂気的なまでの作り込みを感じます。
バックポケット
座ったときに縫い代が当たらないよう工夫し、不快感を軽減。
ヒップラインをフラットに見せることで、後ろ姿にも気を配っています。
ボタンフライの理由
D.HYGENの"緊張感"というコンセプトを表現するため、ジッパーではなくボタンフライを採用。
一手間かけて着用することで、"服を着る"行為自体に特別感を持たせたいという狙いがあります。
日常使いにおいては正直めんどくさいと感じる部分もあるかもしれませんが、特別な服を着るんだという手間というか、そのための時間を作る的なイメージです。
この一手間も、マインドを切り替える重要な儀式となっています。
ストレッチデニムへの行き着き
D.HYGENが現在採用しているのは、10.5オンスほどのストレッチデニム。
幾多の素材の開発を経て「加工のしやすさ、厚み、表情」といった点で最も納得できる素材に行き着いたといいます。
定番として無加工のものと、シーズンごとに加工を施したものの2パターンを展開しており、26SSからはスタンダードなストレートシルエットも新たに始めています。
このデニムの良いところは、細身シルエットでも動きを阻害しにくいストレッチ性と、ほどよい厚み(10.5オンス)がバランス良く両立している点。
さらに加工との相性が良く、ウォッシュやダメージなど季節ごとに異なる表情を出せるため、D.HYGENの"少しずつ変える"スタイルにもマッチしています。
これだけ立体的で重厚な見た目だと硬そうに感じるかもしれませんが、実際にはかなり伸びます。
そのため、細身のシルエットでも動きやすく、適正サイズを選べば締め付けるような感覚もありません。
この見た目と穿き心地の良さのギャップが、長年愛され続ける理由です。
26SSコレクション:スリムデニムパンツのラインナップ
スリムカーブデニム : 定番の無加工モデル
- オンス:10.5ozストレッチデニム
- カラー:ブラック
- 特徴:ごくシンプルなルックスながら、パターンの妙で立体感が出る。コーディネートの幅が広い。
好きなモノを選ぶべきというのが大前提ですが、汎用性を取るならまずはこの無加工モデルをおすすめします。
スリムカーブデニム : クラストパッチワーク
- オンス:10.5ozストレッチデニム
- カラー:ブラック
- クラストパッチワークをジャガードで描いたオリジナル生地。CHERRY SUNBURST(チェリーサンバースト)」とのコラボレーションにより誕生した圧倒的な存在感。
スリムストレートデニム : ダメージ+コーティング
- オンス:9.5ozストレッチデニム
- カラー:ブラック
- 加工:ハードストーンウォッシュやダメージリペアといった幾多の加工を施し、ブランド特有の粗野でヴィンテージライクな表情で制作。
シーズン性を取り入れたいなら加工モデルがおすすめです。
デザインがすでに効いているキャンバスに、さらに加工を加えていくイメージ。
重厚で濃密なD.HYGENにしかない雰囲気が作られています。
スリムストレートデニム / 無加工モデル
- オンス:10.5ozストレッチデニム
- カラー:ブラック
- 特徴:ごくシンプルなルックスながら、パターンの妙で立体感が出る。コーディネートの幅が広い。
シルエットや素材の良さは損なわれておらず、D.HYGENらしい立体感を存分に楽しめます。
気になる方は合わせてチェックしてみてください。
過去にはこんなモデルも
25SS
- オンス:10.5ozストレッチデニム
- カラー:ブラック、ダストブラック
- 加工:製品にて反応染め後にムラコーティング。0番手の極太の糸を使用したオーバーロックステッチがアクセント。
23SS
- オンス:11ozストレッチデニム
- カラー:ダスティホワイト、ブリック、ブラック、チャコール
- 加工:混率を変えて強力なストレッチ性を持たせたデニムを使用。
21-22AW
- オンス:ストレッチジャガードデニム
- カラー:レッド、チャコール
- 加工:オリジナルで開発したストレッチジャガードデニム生地を使用。緯糸に通常の何倍もの強弱差のついたスラブ糸を使用し、ジャガード織にて糸の太い部分を表に浮き上がらせています。
スタッフの着用サイズ感
しっかりジャストサイズで履くのが基本ですが、少し腰を下げてルーズ感を演出するのもD.HYGENの推奨スタイル。
以下にスタッフの着用サイズデータを記載します。
- スタッフD(177cm / 60kg)着用:Size 2
[サイズ感] サイズ2でジャストフィットです。ストレッチが効いているため、タイトな見え方でも動きやすさは確保されています。 - スタッフE(168cm / 54kg)着用:Size 1
[サイズ感] サイズ1を選び、少し腰を落として着用することで、ブランドらしい抜け感のあるシルエットを楽しんでいます。
まとめ
D.HYGENスリムデニムパンツの総括
D.HYGENのスリムデニムパンツは、伝統的な5ポケットデニムの概念を踏襲しつつ、ブランド独自の「STRAINISM(ストレイニズム)」を反映して細部までこだわり抜いた一着です。
10.5オンスのストレッチデニムを軸に、複雑なパターンとディテール、着る人に緊張感を与えるボタンフライなど、職人技とブランド哲学が凝縮されています。
何よりも"細身シルエット"が長きにわたって支持されてきた理由は、ただ細いだけでなく、履き心地と立体的なシワの美しさを両立している点にあります。
メンズファッションの定番として揺るがないデニムに、少しずつ変化を加えながら常に最新の形へアップデートしていく姿勢こそがD.HYGENらしさといえます。
サイズ選びと実店舗
オンラインストアで在庫やサイズをチェックできるほか、大阪・京都の実店舗では直接試着できるので、自分にぴったりの一本を探したい方はぜひ店舗も活用してみてください。
D.HYGENのスリムデニムパンツは、ブランドの根幹たる「STRAINISM(ストレイニズム)」の思想と、長年培われてきた職人技術が結晶したアイテムです。
制約(ストレッチ、シルエット、ディテール)を逆手に取り、着る人の緊張感・高揚感を高めることを目指すこのデニムは、他に類を見ない存在感を放ちます。
もし興味を持たれた方は、ぜひ当ECサイトの商品一覧や実店舗で実際の品質やシルエットをチェックしてみてください。
きっと、写真や文章では伝えきれない「緊張感を纏う」楽しさを体感できるはずです。
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