TCBジーンズ50sの3型:501XXの縫製、生地と色落ち、Baggy・Slim Tを深く比べる

TCB JEANS(ティーシービージーンズ)。
4色・5種類の番手の綿糸、帯裏のチェーン、隠しリベットから50'sの作りをたどり、工場の原点となった標準形、若いスタッフ発のBaggy、生機の経年を楽しむSlim Tまで、背景と選び方を掘り下げます。

2026-10-16

TCBの標準50sジーンズの正面全体
目次

いつもご覧いただきありがとうございます。本日は、TCB JEANS(ティーシービージーンズ)の原点となる50's Jeansと、同じ約13.5ozジンバブエコットンを使うBaggy 50's Jeans、Slim 50's Tをご紹介いたします。1950年代の501XXを基準にした形、工場の若いスタッフが広げた形、細身で育てたいという声から生まれた形。同じ生地を、異なる考えで穿くための3型です。

50'sを深く見るなら、表の青とシルエットに加え、腰帯の裏、後ろポケットの内側、袋布の縫い目まで見ておきたいところです。4色・5種類の太さを使い分ける綿糸、地縫いを挟まない帯、隠しリベットの入れ方には、縫製工場から始まったTCBの判断が残っています。その作りを軸に、3型の違い、洗いと縮み、今の体型に合う選び方まで掘り下げます。

Baggy 50sジーンズを平置きした正面

Baggy 50's Jeans。腰だけでなく脚と裾にも量感があります。

縫製工場から自分たちのジーンズへ。50'sが原点になった経緯

TCBを立ち上げた井上 一さんは、大阪のアメカジショップで働く中で、売っているジーンズがどこでどう作られるのかに関心を持ち、20歳で岡山・児島へ移りました。縫製工場、デニム企画の仕事を経て、2007年に自身の縫製工場を始めます。最初は自宅の作業場にミシンを並べ、一人で縫うところからの出発でした。

2011年に現在の工場へ移り、他社の製品を作る仕事を続けながら、自分たちの服を作りたいと考えていたところへ、2012年の児島のデニムイベントへの出店依頼が届きます。そのために作った自社のジーンズが、50'sシリーズの前身でした。ここからTCB JEANSが始まります。

この最初の製品にはCone Millsの生地を使っています。現在の約13.5ozジンバブエコットンの50'sが、そのまま初日から続いていると捉えるより、工場が自分たちの製品を作り始め、その基準を育ててきた経緯として見ると分かりやすくなります。今も新しいジーンズを考えるとき、太さ、生地の厚み、色味を50'sと比べるというのがTCBの考え方です。

自分たちで作り続けるために工場を持つ。その背景には、縫製を担う次の世代が少ないことへの危機感もありました。後にBaggyが工場の若いスタッフの穿き方から生まれたという話は、この原点とつながっています。作り手が実際に穿いている場所から、同じ生地の新しい形が出てきたわけです。

紙パッチ期の501XXを、表と裏の両方から読む

TCBの標準50sジーンズを平置きした背面

標準50'sの背面。ヨーク、ポケット、腰帯の線を順に見られます。

標準の50's Jeansは、TCBが所有する1950年代の紙パッチ仕様の501XXを元にしています。シルエットを写し、縫い糸は箇所ごとの色と番手を拾って作る方法です。股上に深さがあり、腰と脚にはゆとりを残しながら、裾へ向けて少し細くなる形。ストレートと呼んでも、腰から裾まで同じ幅で落ちるパンツではありません。

背面ではヨークから後ろポケット、ベルトループ、パッチへと目を移すと、糸の線が場所によって違って見えます。正面のボタンフライと前ポケット周辺だけでなく、背中側の線と内部の作りまで含めて50'sです。新品で一度裏返して見ると、穿き込んだ後のアタリがどの縫い目から生まれたかを追いやすくなります。

紙パッチと、現在のインディゴネーム

標準50sジーンズの猫を描いたパッチと後ろポケット

標準50'sのパッチと後ろポケット。縫い目の色と太さも見どころです。

標準50'sの腰には二匹の猫を描く紙パッチが付きます。紙パッチ期の501XXを選んだことは、後に登場するSlim Tとの違いにもつながります。TCBは紙が破れた場所から、その下に残った濃い生地が現れる経年まで考えています。デニムが薄くなっていく一方で、パッチが覆っていた部分には濃さが残るという見方です。

リーバイスの歴史では、革から厚紙系のパッチへの移行には、全米への販売拡大によるコストと、当時の自動洗濯機が革に与える影響が関係していました。現在のTCBのパッチを、当時と全く同じ耐久性や変化として扱うことはできませんが、素材の変更に生産と生活の条件が関わっていたことは、年代を読む手掛かりになります。

なお、TCBの古い商品写真には赤いネームが写っているものがありますが、現行の標準50'sはインディゴネームへ変更されています。古い写真の色を、これからお届けする付属の色と取り違えないようにご覧ください。

4色・5種類の番手を使い分ける綿糸と、地縫いを挟まない腰帯

50sジーンズの腰前面、ボタンとリベット、黄色とオレンジの糸

前立てとポケット口。場所によって線の色が変わっています。

縫い糸は綿100%。色を4色、太さの違う糸を5種類使い分けています。元の一本を見ながら、どこにどの色と太さの糸があるかを拾った仕様です。前ポケットの周囲、前立て、ベルトループ、後ろポケットを続けて見ていくと、黄色とオレンジの線が同じ密度で並んでいるわけではないことが分かります。

糸の種類が多いこと自体より、部位ごとに違う線の太さと色を残していることが大切です。近くでは糸の色として見える違いが、少し離れると、ポケットの輪郭やベルトループの存在感になります。洗いと摩耗が進めば、生地の青と縫い糸の変化も重なり、新品の配色とは違った見え方になります。

標準50sジーンズの前ポケットとコインポケット、縫い糸とリベット

前ポケット周辺を別角度から。短い線の重なりと、補強の鋲を見られます。

帯の裏に、工程が残る

50sジーンズの腰帯、背面ポケットの内側の鋲と白い袋布

腰まわりを内側から。帯裏の鎖状の糸、背面の鋲、白い袋布を一緒に見られます。

腰まわりの帯下は、先に地縫いで接いでから別の縫い目で押さえる工程を挟まず、帯先までチェーンステッチで縫っています。帯の表の線だけを見ず、内側の鎖状の糸まで追うと、一度の縫製でどこをまとめているかが分かります。

TCBの工場では、帯を縫う専用機と、布を折り込んで針の下へ通すラッパを使います。ラッパは仕上がり幅に合わせる金属のガイドで、作りたい帯の幅に合わせてこの道具を用意します。ジーンズの形を写す作業には、縫う直前の布の折り方と送り方を揃えることも含まれています。

綿糸で縫われた部分は、洗い後に生地と縫い目の関係が動き、細かく波打つ表情が現れます。これがパッカリングです。チェーンなら必ず同じうねりになるのではなく、糸、布の厚み、重なり方、機械の設定が関わります。TCBが元のヴィンテージに合わせて縫い幅を変え、機械を調整する理由も、こうした部分にあります。

隠しリベットと袋布に見る、補強と量産の痕跡

後ろポケットの隠しリベットは、補強の鋲を表側へ露出させない作りです。リーバイスが1937年に後ろポケットの鋲を覆う形にした背景には、家具や鞍を傷めるという使用者からの声がありました。後に鋲が生地を突き破って同じ問題を起こすため、1966年にはカン止めへ移っています。50'sの隠しリベットは、その変化の途中にある仕様です。

TCBは隠しリベットを取り付けるときの切り込みにも着目し、当時の複数の方法のうち強度の高い仕様を選んで再現しています。『鋲が隠れている』という外観だけでなく、鋲を通すために布へどう手を加えるかまで見ている部分です。内側へ返して鋲とポケットの角の関係を見ると、表では分かりにくい補強の位置が見えてきます。

前ポケットの袋布であるスレキも、元の服にあったラフな縫い方を、強度に問題のない範囲で残しています。すべてを細かく整えて均一に揃えるのではなく、作業着として量産されていた服の縫い目をどう残すかという判断です。隠しリベットでは丈夫な方法を選び、袋布では実用を保ちながらラフさを残す。部位ごとの役割が違うことまで含めて、再現の仕方を見られます。

標準50sジーンズを裏返した前面、ボタンフライと白い袋布

白い袋布と前立てを、内側の全体から見たところです。

裾のチェーンステッチは、折った裏側まで見る

50sジーンズの裾を返した耳と縫い目

裾を一度返すと、耳と内側の縫い目が見えます。

裾を返すと、耳と縫い目が見えます。耳は、生地を織ったときにできる端の部分です。TCBが使うUnion Specialの裾縫い機では、ガイドで布を折り込みながら縫うことで、裾の縫い上がりにねじれやうねりが生まれます。その凹凸が擦れると、裾の輪に沿って濃淡が出てきます。

現代ではそのうねりを好んでユニオンスペシャルを選ぶ方もいますが、元は工程を効率よく進めるための専用機でした。今は経年変化の見どころとして見られるものに、当時の量産の事情が残っている。この関係を知ると、裾上げの方法を選ぶときも、機械の名前と仕上がりを結び付けて考えられます。

13.5ozの生地は、短いアタリが縦につながっていく

50sジーンズの濃紺の生地と脚の縫い目の接写

毛羽と粒の見える生地、縫い目に沿う糸。原料、紡績、織り、縫製の表情が重なります。

3型の生地は、約13.5ozのジンバブエコットン100%です。綿の産地に加え、50'sらしさを決めているのが糸のムラと織り方。昔ながらの紡績機の調整で糸の太さに変化を持たせ、旧式の織機で張力にも不均一さを残しながら織っています。

紡績は綿を糸にする工程、製織は糸を布にする工程です。二つを分けて見ると、ジンバブエ綿という原料名だけで生地の顔が決まるわけではないことが分かります。糸の太い部分と細い部分、布の中での張られ方が表面の小さな凹凸になり、色が抜けたときの粒や線の見え方へ関わってきます。

50'sで目指しているのは、太く短いアタリが徐々につながるタテ落ちです。はじめは白い点が現れ、その点が連なって縦の線として見えてくる。新品の濃い青の中に見える粒と毛羽を、着用後の細かな濃淡と比べると、糸のムラがどのように残ったかを追えます。

色落ちした旧細身ジーンズの腰まわりとヒゲ

現在の新品とは仕様が異なる旧細身個体。腰のシワに沿った色落ちの例です。

色落ちした旧細身ジーンズの後ろポケットと膝裏のハチノス

旧細身個体の背面。膝裏のシワと、ポケット周辺の摩耗を見られます。

こちらの色落ちした細身の一本は、現在の新品とパッチなどが異なる個体です。腰のヒゲ、膝裏のハチノス、縫い目やポケット周辺の摩耗を見る例としてご覧ください。着用年数や洗濯回数だけで同じ青へ到達する目安にはできません。

同じ生地でも、腰のどこで穿くか、脚と布の間にどれだけ余裕があるか、座る時間や洗い方でシワの付き方は変わります。細身なら必ず強いハチノス、ワイドなら必ず平らな色落ちという決まりもありません。生地のタテ落ちと、生活の動きが作るヒゲやハチノスは、重なりながらそれぞれ違う条件で生まれます。

標準50's Jeans。深い股上から緩く細くなる基準の形

3型を比べる基準にしたいのが50's Jeansです。腰と太ももにゆとりを持ち、裾に向かってわずかにテーパーを付けた形なので、腿の部分だけが細く張り付きにくく、裾には少し整理された幅が残ります。紙パッチ期501XXから採った腰まわりと脚の関係を楽しみたい方に、まず見ていただきたい一本です。

サイズを選ぶときは、ベルトを締めたときの腰位置まで考えてください。股上の深いパンツを高い位置で留める場合と、少し低い位置で穿く場合では、同じ一本でも股の下の余りと脚の落ち方が変わります。ウエストだけを小さく合わせて尻やももを突っ張らせるより、元の形が残る余裕を確認することが大切です。

標準50sジーンズのボタンフライを開いた前股と腰帯の内側

標準50'sの前股と帯裏。股上の数値と、腰を留める位置を併せて見る部分です。

Baggy 50's。工場の若いスタッフの型紙カスタムから

Baggy 50'sは、現場の若いスタッフが標準50'sの型紙をカスタムし、太くして穿いていた姿がきっかけです。その穿き方を見た井上さんが、製品として形にしたいと考えて作りました。基準の50'sを、作る現場の次の世代がどう穿き直したかが、そのまま商品へつながっています。

生地と基本の縫製を共通にしながら、ヒップ、ワタリ、裾までしっかり余裕を取っています。ウエストだけ大きい標準50'sをベルトで締めたときとは、腰と脚の分量の関係が違います。腰は合うサイズで、脚には広さが欲しい。そんな選び方ができるのがBaggyです。

Baggy50sジーンズの腰帯と鋲、白い袋布を内側から見た接写

Baggyの腰まわりの内側。標準50'sと共通する帯裏や袋布の作りも見てください。

標準50'sで脚の余裕を増やそうとサイズを上げると、腰の余りや穿く位置も一緒に変わります。ベルトで帯を寄せた分だけ、股上の見え方や前股の余りも変わるので、Baggyの代用になるとは限りません。今の腰位置を保ったまま尻や腿を広げたいのか、腰を落とす穿き方そのものをしたいのか。そこを決めてから型とサイズを選ぶと、太さを持て余しにくくなります。

メーカーが紹介する水谷さんの着用例では、ウエストジャストでも太さが出ることを見せています。一つ上のサイズで量感を増す穿き方も選択肢ですが、初めからサイズアップしなければ成立しない形ではありません。まず腰をどこで保持したいかを決め、その位置でヒップから裾までの余裕を見るのがおすすめです。

当店の取り扱いサイズと、メーカーが作るサイズ全体は同じとは限りません。希望する腰寸法がないときに、大きい在庫をベルトで締めれば同じ形になるとは考えず、標準50'sも含めて比較してください。裾の幅と靴の大きさ、ロールアップしたときに布が重なる量まで見ると、太さをどう穿きたいかが決めやすくなります。

Slim 50's T。生機の経年を、今の体型で育てるための形

Slimの出発点には、若い頃は501ベースを穿いていたものの、年齢とともにすっきりした形を選びたいという店頭の声がありました。海外のデニム好きにも、日本の生地を細い形で色落ちさせたい人が多いと感じたことが、もう一つのきっかけです。

濃紺のSlim 50s Tと色落ちした旧細身ジーンズを並べた正面

濃紺がSlim 50's T。色落ちした一本は付属が異なる旧個体です。同一型の洗い前後や、旧SlimからTへの型紙・寸法の変更を示す比較写真ではありません。

そこでTCBが条件にしたのは、細い形でも生機の生地が持つ経年変化を楽しめることでした。生機は織り上がった生地の仕上げの状態を表す言葉で、販売するパンツが未洗いであるという意味とは分けてください。当店のSlim Tは、洗いをかけたwashedの状態でお届けする製品です。

2023年に登場したTでは、旧Slim 50'sとSlim 50's Rを整理し、TCBの定番スリムとして形を更新しています。旧Slim群の中では股上と腰まわりに余裕を持たせ、膝下には緩いテーパーを付けた設計です。ワタリと裾幅は少し細くしながら、腰まで窮屈に絞る方向にはしていません。

ここで腰と股上に余裕を増やした比較相手は、旧Slim 50'sとSlim 50's Rです。標準50's、Baggy、Tの3型を並べて、Tの股上が最も深いという意味にはなりません。旧Slimの低い腰位置や前股の窮屈さが気になっていた方は、同じインチを買い直す前に、Tの腰帯が体のどこで留まるかを見直してください。

メーカーが挙げる32インチのワタリは31cmで、細さ一辺倒の形ではないことを説明するための寸法です。この数字は一つのサイズの例なので、別サイズや今回の入荷個体へそのまま当てはめず、実際の商品詳細の採寸でご比較ください。

革パッチとタブなしには、原型への敬意がある

Slim 50s Tの革パッチとタブを付けない後ろポケット

Slim Tは革パッチとタブなし。原型への敬意を付属にも反映しています。

Slim Tは革パッチを使い、後ろポケットにタブを付けていません。標準50'sの紙パッチとタブは、元の501XXを象徴する要素。TCB独自のスリムとして形を作るにあたり、その象徴は引き継がないという判断です。同じ生地と縫製に力を注ぎながら、原型に由来する形と、自分たちで設計した形を付属でも区別しています。

Slim50sTの濃紺の裾を返した耳と縫い目

Slim Tの裾。下の着用写真に写る旧細身個体とは区別してご覧ください。

若い頃と体型が変わり、脚をすっきり見せたい場合も、ウエストや腿を無理に小さくする必要はありません。試着では腰を留めてから座り、前股や腿に強い横ジワが寄らないかを見てください。欲しい裾幅と、必要な腰まわりの余裕を分けて選べるかが、Slim Tを比べるときの要点です。

3型のサイズは、同じインチだけで比較しない

標準50's、Baggy、Slim Tは、型紙と股上、腰から脚への分量が違います。表記インチを揃えるだけでは、ウエスト実寸も穿く位置も同じ条件になりません。型の違いを確かめるときは、まず腰の実寸が近いサイズを選び、次に股上、ヒップ、ワタリ、膝、裾の順に見てください。

ウエストの採寸も、平置きの端から端と、帯の内周では測るものが違います。TCBは、前後の帯を揃えるか、引っ張るか、メジャーをどこへ当てるかでも値が変わることを説明しています。手持ちと比べる場合は、同じ測り方に揃えることが先です。ワタリも測る位置が違えば数値が動くので、数字だけを切り離して比べないようにしてください。

腰、腿、足元。どこを変えたいかで3型を絞る

紙パッチ期の腰から脚への輪郭を楽しみたいなら標準、腰を保持しながらヒップと裾にも分量が欲しいならBaggy、腰の余裕を残して膝下を整理したいならSlim Tが入口です。単に太い順へ並べるより、今のパンツのどこに不満があるかから比べると、替えるべき型とサイズを分けやすくなります。

Baggy 50sジーンズを平置きした背面と腰のパッチ

Baggyの背面。ヒップから脚へつながる広さも見てください。

腰が合っても座ると腿が張るなら、裾の細さより尻とワタリを先に確認します。逆に腰と腿は足りていて足元だけをすっきりさせたいなら、全体を小さくする前にテーパーを見ます。3型とも綿100%の同じ生地なので、ストレッチ素材の伸縮を頼りに窮屈さを逃がす選び方は避け、座る、しゃがむ、靴を履く動きまで比べてください。

スタッフ3名の体格から考える比較の出発点

当店の166cm・62kgと168cm・54kgのスタッフは普段S・原則小さい側、177cm・71kgは普段Mを比較の出発点にしています。以下は3型を実際に穿いた結果を表すものではなく、普段のサイズと体型から試着候補を絞るための参考です。この3品番の商品表示には29/S、30/Mがあるので、その表記を最初の比較候補とし、28も含めて腰と形が合うかを見ます。同じ29でも3型の穿く位置や余裕が同じとは考えません。

166cm・62kgでは、28/SS〜29/Sを比較開始候補に、腰が留まる位置と尻・腿の余裕を見ます。小さいサイズで腰が閉まっても、座ったときに腿が張るなら、ウエストだけを広げる前に標準50'sとBaggyの形の差を見たいところです。

168cm・54kgも28/SS〜29/Sの小さい側が出発点ですが、同じS基準の166cm・62kgと同じサイズになるとは限りません。腰の保持を先に見て、Baggyの太さを選びたい場合も、腰を大幅に余らせることと脚の分量を得ることを分けて比べます。

177cm・71kgは30/Mを比較開始候補に、普段合うパンツと腰・尻・腿の実寸を照らして選びます。30で張る箇所があれば、Mという表記にとらわれず31以上も比べてください。Slim Tを検討する場合は、立ち姿で裾が細く見えるかに加え、座ったときの前股と腿の余裕を確認します。身長から股下を決めず、選んだ腰位置と靴を合わせて丈を見てください。

Slim 50s Tの濃紺の腰帯、ボタンフライと前股

Slim Tの腰から前股。旧細身の色落ち写真とは別の、現行Slim Tの新品です。腰を留める位置と前股の形を見比べてください。

洗いと乾燥を済ませた3型。追加の縮みと日常の手入れ

当店の3型はwashedです。TCBでは縫製したデニムを洗い、乾燥機でしっかり収縮を出してから店頭へ出しています。未洗いの一本のような大きな初回収縮を前提に、サイズを上げる必要は基本的にありません。生機の生地が持つ表情を残すことと、お届け前に洗いを済ませることは、両立しています。

50'sの生地は縮率が一定でないため、再入荷ごとにサイズ表が更新されます。これは今回の入荷の実寸で選ぶ必要があるという話で、家庭で洗うたびに一定のcm数が縮むという意味ではありません。着用で動いた部分が洗いで戻る変化、わずかに残る収縮、熱乾燥の影響も分けて考えます。逆に、穿き伸びと馴染み方は生活や選ぶ余裕によって変わるので、新品の硬さだけを理由に窮屈なサイズを選ばないことも大切です。

裏返し、冷水、穏やかな洗剤。汚れに合わせて洗う

家庭では取扱表示を確かめ、汗や汚れに合わせて洗ってください。濃い青を急に落としたくない場合は、裏返して冷水で、濃色衣類に適した穏やかな洗剤を使います。量を多く入れず、製品の使用量に合わせてください。洗濯機では弱い水流を選び、濃色のうちは淡い衣類と分けて洗うと、他の服への色移りも避けやすくなります。

裏返すのは、表面に不自然なシワや筋を付けにくくするためです。TCBの出荷前の洗いにも、この考えが使われています。洗い終えたら形を整え、ポケットの中まで乾くように広げ、風通しのよい日陰へ干してください。手洗いの場合も、強くねじって形をゆがめないように水を切り、自然乾燥させます。

縫い目の強いパッカリングや耳のアタリを優先し、購入後は表向きで洗う選択もあります。裏返すことだけが正解というわけではなく、表面の擦れをどこまで出したいかという違いです。ただし、色落ちのための無洗濯期間を一律に決める必要はありません。腰まわりや膝裏に汗や汚れが付いたときは、青を残すことだけを優先せず、普段の服として手入れしてください。

Baggy 50sジーンズの折り返した裾、耳と内側の縫い目

Baggyの裾を折り返した内側。洗う際には表の青だけでなく、折り重なる裾の汚れも見てください。

家庭での乾燥機と、出荷前の業務乾燥は条件が違う

サイズと形を保ちたい場合は、自然乾燥を基本にするのがおすすめです。出荷前に業務用乾燥機で縮めてあっても、家庭で熱を加えたときに同じ寸法へ収まるとは限りません。とくにSlim Tの革パッチなど、生地以外の付属の変化も含めて考えてください。革のしなやかさを残したい場合も、自然乾燥を選ぶ理由になります。

乾燥機を使うことを前提に、希望の寸法まで縮むだろうと大きく買うのは避けたいところです。どれだけ縮むかは温度、時間、個体で変わり、腰だけ、股下だけを狙って調整できるものではありません。乾燥方法の希望は、ご購入時のサイズ選びや裾上げの相談にも添えてください。

裾を決めるのは、穿く位置と靴を合わせてから

色落ちした旧細身ジーンズの裾と黒いサイドゴアブーツ

旧個体の裾とブーツ。現在の商品を選ぶ際は、ご自身の靴と腰位置で丈を決めてください。

股下の長さだけで、3型の裾上げ量を比べることはできません。深い股上を高い位置で留めるか、少し落として穿くかで裾の位置は変わります。Baggyは裾の幅と布の量があり、Slim Tは足首へ収まる幅が狭いので、同じ股下でも靴の上にたまる形が違います。

裾上げは、穿きたい腰位置を決め、合わせる靴を履き、伸ばすかロールアップするかまで見てから決めると確実です。折る場合は一回か二回か、折り幅をどの程度にするかでも必要な長さが変わります。家庭での洗いと乾燥の条件も含めて丈を相談し、熱乾燥で縮むだろうという予想だけで長く残したり、逆に洗い後の変化を考えず短く切ったりしないようにしてください。

裾上げの加工は当店では行わず、TCBへ依頼する形です。当店では、穿く位置や合わせる靴、折り返し方に応じた長さの相談を承っています。加工を依頼する前に、店頭または当店の商品お問い合わせ窓口からご相談ください。

40sとの違いと、50's Jacketとのセットアップ

S40'sとLate S40'sは、大戦期の異なる個体を手掛かりにしています。50'sはその後の紙パッチ期501XXを基準にするモデルです。年代だけで一直線に太さや完成度が変わるわけではなく、TCBがどの実物を選び、そのどこを再現したかを見て比べる必要があります。

生地ではS40'sが14oz、Late S40'sと50'sは13.5ozですが、後者二つも別の生地です。袋布も、S40'sのヘリンボーン、Late S40'sのネル、標準50'sの白いスレキで違いがあります。戦時の制約から残った仕様を深く見たいか、TCBの基準である50'sから同じ生地の3型を比べたいか。興味の向く部分と、実際に穿きたい形の両方で選んでいただけます。

色落ちしたジャケットと旧細身ジーンズを上下で着た正面

付属が現行品と異なる着込み個体。上下の青と形を組み合わせた参考です。

白いTシャツに色落ちしたジャケットと旧細身ジーンズを合わせた全身

ジャケットを開いた着用例。パンツの細さと上着の身幅の差が見えます。

50'sの3型は、同じ生地の50's Jacketと上下を揃えられます。紙パッチ仕様の507XXを元にした胸ポケット二つの上着に、標準50'sのゆとりを合わせるか、Baggyの量感を加えるか、Slim Tで脚をすっきりさせるか。生地の統一感を保ちながら、今の自分が穿きたい形を選べます。

上下の色落ちには、着る頻度と洗う条件の違いも出ます。上着を休ませる季節にもパンツを穿けば、先に下の青が薄くなります。その差も同じ生地を生活の中で使った結果です。写真の上下は現在の商品とは付属が異なる個体なので、青の変化と組み合わせの参考としてご覧ください。

上着の縫い順とサイズ選びは、50's Jacketの詳しい紹介へ。TCBを取り扱うようになった経緯と年代別のモデルは、TCB JEANS取扱スタートのご案内でもご覧いただけます。

50'sを元にした3型は、同じ生地の色落ちを、どんな形で自分の生活へ取り入れるかという選択肢です。表の青に加え、裏の帯や鋲、袋布まで見てから穿くと、その後の変化も違って見えてきます。FASCINATE_THE RとFASCINATE KYOTOでは、普段の腰位置と靴、洗濯の仕方まで含めてサイズをご案内いたします。

TCB JEANSの商品一覧

素材、形、着用サイズを見比べて、日常で育てたい一本・一着をお選びください。

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担当:FASCINATE_THE R バイヤー 森崎


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