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本日は、Ten C(テンシー)の26SSコレクションより、ブランドの哲学が凝縮された新作アウター
「FAIR ANORAK」 をご紹介します。
「一生着られる服を作る」という信念のもと、ロゴによる誇示を排したプロダクトを展開するTen C。
今季のアノラックも、手に取った瞬間にその作りの凄みが伝わる仕上がりになっています。
二人の名匠が辿り着いた、Ten Cというブランド

FAIR ANORAKの魅力をお伝えする前に、まずはTen Cというブランドの背景に少しだけ触れさせてください。
この一着の重みが、より深くご理解いただけるかと思います。
なお、デザイナー二人の経歴やブランドの理念、独自素材OJJについては、当店ブログの「Ten c(テンシー) 26SS 入荷商品のご紹介」で詳しくお話ししていますので、よろしければあわせてご覧ください。
本記事では、FAIR ANORAKを理解するうえで欠かせない「アノラックという原点」について、もう一歩踏み込んでご紹介します。
Ten Cが世に送り出した「第一号」、その名はアノラック
「STONE ISLAND(ストーンアイランド)」と「C.P. COMPANY」というイタリアを代表する名門を経た二人のデザイナー、ポール・ハーヴェイとアレッサンドロ・プンジェッティ。
「デザインだけ、機能だけの服の時代は終わった。本気で一生着られる服を作る」という強い理念のもとに、構想3年、さらに製作に2年という長い歳月をかけて世に送り出されたのがTen Cです。
彼らの情熱の結晶として、ブランドの「第一号」プロダクトに選ばれたのが、まさにこのアノラックでした。
つまり、アノラックはTen Cにとってブランドの原点であり象徴と呼ぶべき、極めて特別な一着なのです。
FAIR ANORAKに袖を通すということは、ブランドのDNAそのものを身に纏うことだとも言えるかもしれません。
1960年代カナディアン・アノラックから受け継ぐDNA
このアノラックの直接的なベースとなっているのは、デザイナーのポール・ハーヴェイ自身がアーカイブとして所有している、1960年代のカナダ軍およびカナダで使われていたアノラックです。
さらにそのルーツを辿ると、カナダ北部の狩猟民族イヌイット(カリブー)が極寒の環境を生き抜くために纏っていた、アザラシの皮の防寒着にまで行き着きます。
極限の自然下で人を守るために生まれた歴史的な機能服を、イタリアならではの洗練されたカッティングで現代にアップデートする。
この壮大な背景を知ったうえで袖を通すと、一着への眼差しがまた変わってくるのではないでしょうか。
無骨さを削ぎ落とした、都市で映えるアノラック
まず目を惹くのは、アノラック本来のタフさを残しながらも、驚くほどクリーンに整えられた外観です。
ミリタリーウェアとしての機能性を維持しつつ、街着としての洗練さを追求した佇まいが印象的です。
凹凸を消すコンシールドプラケット
フロント部分は、ファスナーやボタンといった機構をすべて覆い隠す比翼仕立て(コンシールドプラケット)を採用しています。
この設計により前面の凹凸が抑えられ、生地そのものの滑らかな質感がいっそう際立つようになっています。
単なるファッションの枠を超え、建築物や工業製品のように「道具としての衣服」を緻密に設計するTen Cだからこそ、このノイズレスな機構が必然として生まれるのだと感じます。
さらに、左胸には斜めにカッティングされたボタン開閉式のポケットを配置。
利便性を確保しながら、アシンメトリーな視覚効果を狙った緻密な設計です。
フロント下部にも大容量のポケットを備えており、バッグを持たずに身軽に外出できる実用性もありがたいポイントです。
パーカー感覚で羽織れる、26SSならではのライトな着心地
26SSのFAIR ANORAKは、重厚なアウターというよりも、パーカーやジップアップブルゾンとしてカテゴライズしたくなるほどの軽快さが特徴です。
「アノラック」と聞くと身構えてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、このライトな着心地であればデイリーに気負いなく取り入れていただけます。
Ten C の真骨頂、独自テキスタイルの奥行き
Ten Cを語るうえで欠かせないのが、やはりその独自の素材使いです。
今回のFAIR ANORAKに使用されているテキスタイルは、光沢を抑えたマットなブラック(カラーコード: 999)が非常に深く、重厚な佇まいを見せてくれます。
軽さとハリが共存する高密度な生地
一見すると重厚に見えますが、実際に袖を通すとその軽さに驚かされます。
軽量でありながら適度なハリ感を持っているため、着用時に型崩れしにくく、服本来の立体的なフォルムを常に保ってくれます。
控えめに添えられたブランドの主張
Ten Cは「ロゴレス」を掲げるブランドですが、今作では左脇下付近に控えめなラバープリントのロゴが施されています。
決して目立つ場所ではありませんが、ふとした動作の際に見えるこのロゴが、スポーティで現代的なアクセントとして機能しています。
天候の変化にも動じない機能的なディテール
生地の密度が高いため、風の侵入を防ぎ、多少の雨であれば弾いてくれる安心感があります。
まさに「道具としての衣服」を体現しており、春先や秋口の不安定な天候下でも気兼ねなく手に取れる一着です。
最先端のテクニカル素材でありながら、染色などの工程における手作業の温もりや微細な個体差を「Aesthetic of error(不完全性の美学)」として肯定している点も、このブランドの奥深さだと思います。
着込むごとに着用者の体に馴染み、シワやアタリが刻まれることで、自分だけの一着へと経年変化していく。そこにTen Cならではの豊かさがあります。
レイヤードを見据えたリラックス・フィット
シルエットは、身体のラインを拾いすぎない適度なゆとりを持たせたリラックス・フィットです。
可動域を最大限に引き出す立体パターン
肩周りや身幅に意図的な余裕を持たせているのは、単にトレンドのシルエットを作るためだけではありません。
インナーに厚手のシャツやカットソーを着込むことを想定し、なおかつ肩の可動域を最大限に引き出すための設計です。
この立体的なパターンワークにより、動きやすさと見た目の美しさが高い次元で両立されています。
FAIR ANORAKを軸にしたコーディネート
今回のFAIR ANORAKを主役にした、今季おすすめのスタイルをご紹介します。
ワイドカーゴで作る大人のミリタリースタイル
ボトムスには、同じくTen Cの「PANTALONE CARGO TASCONATO」を合わせ、足元にはテック系のスニーカーで軽快さを出すのがおすすめです。
全体をモノトーンやダークトーンで統一すると、アノラックのマットな質感がいっそう際立ち、大人の余裕を感じさせるストリートスタイルが完成します。
春夏のライトアウターとしての着用サイズ感
FAIR ANORAKは、Tシャツの上からさらりと羽織れる春夏のライトアウターです。
サイズ選びも難しく考えすぎず、どんなシルエットで着たいかをイメージしていただくのが一番です。
私たちが店頭でお客様にお伝えしているポイントをご紹介します。
軽めのインナーの上から羽織るスタイルが基本
Tシャツや薄手のロングスリーブの上からさらりと羽織って楽しむのが基本の使い方です。
ジャストサイズを選んでいただければ、Ten Cが意図した立体的で美しいシルエットがそのまま活きてきます。
一方、肩を落としてリラックス感のある着こなしをされたい方や、軽めのシャツをインナーに重ねるレイヤードを楽しみたい方は、ワンサイズアップという選び方もおすすめです。
サイズ別の目安
以上を踏まえた、一般的な体型に合わせたサイズの目安です。
| サイズ44 (S相当) |
細身体型の方や、Tシャツの上からすっきり着たい方に。 |
|---|---|
| サイズ46 (M相当) |
標準体型の方でジャストに綺麗に着たい方に。 |
| サイズ48 (L相当) |
標準〜ややがっちり体型の方、または170cm台でゆったりめに着たい方に。 |
| サイズ50 (XL相当) |
がっちり体型の方や、ジャケットの上からコート感覚で羽織りたい方に。 |
基本的には、普段着ているサイズと同じサイズを選んでいただければ、Ten Cが意図した美しいレギュラーシルエットになります。
トレンド感のあるゆったりとした着こなしをされたい方や、厚手のインナーと合わせる機会が多い方は、ワンサイズアップが失敗の少ない選び方です。
スタッフの着用データ
実際に当店スタッフが着用した感覚もあわせてご参考ください。
| スタッフA (174cm / 68kg) |
着用:Size 48 [サイズ感] 中にシャツを着て程よくゆとりがある、ブランド推奨のサイズ感です。 |
|---|---|
| スタッフB (180cm / 72kg) |
着用:Size 50 [サイズ感] 肩幅がある方でも、サイズ50であれば窮屈感なくリラックスして着用できます。 |
改めてお伝えしたい、FAIR ANORAKの魅力
最後に、今回ご紹介したアイテムのポイントを整理いたします。
- 比翼仕立てとコンシールドプラケットによる、無駄を削ぎ落としたミニマルな外観
- 斜めに配された胸ポケットや脇下のロゴなど、細部に宿る現代的な設計思想
- 軽量かつ高密度な最高峰テキスタイルによる、マットで奥行きのある質感
- インナーを選ばず、肩の可動域を確保した実用的で立体的なシルエット
Ten Cの服は、袖を通し、着込んでいくことでさらにその真価を発揮します。
このFAIR ANORAKも、ワードローブの中で年月を経るほどに、より手放せない存在になっていくはずです。
ぜひ店頭やオンラインでその質感をお確かめください。
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