2020-21 Autumn Winter Paris Collection Review
DAY 4
2020-21AW パリメンズファッションウィークの様子をカメラマン井上が独自の視点でレビュー
4日目はJAN-JAN VAN ESSCHE、KLASICA、hannibal、D.HYGEN、cornelian taurus by daisuke iwanaga、DIMISSIANOS & MILLERの様子をお伝えします

展示会を回っている最中は、昼食を取れる時間が無い為、朝はわりとみんな多めに食べます。
各自日本から持って来たものであったり、こちらで買ったパンやコーンフレークやサラダ、ヨーグルトなどなど。
ただ、それぞれで済ませるので前回桃谷が持参したそうめんのようにひとつのものをみんなでつつくような感じではありませんでした。
今回、桃谷はお蕎麦を持って来ていましたが結局最後までお目にかかれなかったのが残念です。
ひそかに食べたいなぁと思っていたのですが、今回は縁がなかったということで。笑

さあ、しっかり朝ごはんを食べて、最終日の4日目がスタートしました!

1.20-21AWコレクション
2.和の雰囲気を持つアイテムも
3.コレクション数も多いブランドだ
4.スタイリングでは雰囲気のあるレイヤードを作り出す
5.6.ブランドらしい生地の表情
7.竹を組んだラックもブランドの世界観を表している
8.横のシルエットも個性的
9.ナチュラルな柔らかい色味も魅力だ
10.20-21AWコレクションルック

JAN-JAN VAN ESSCHE / Country of origin : Belgium

店舗では取り扱いのないブランドJAN-JAN VAN ESSCHE。
日本の着物やアフリカや中東の部族の衣装からインスピレーションを受けて作品へと落とし込むベルギーのブランドです。
実は20SSの展示会でもお邪魔していたのですが、今回も急遽参加させてもらうことに。
展示会場にいるデザイナー本人からもコレクションの解説を受け、作品への興味も高まりました。

非常にリラックスしたシルエットながらも上質な質感や上品さを失わないルーズさを提案して行くファブリックとデザイン。
身体に優しい生地とパターンメイキングでジャンルレスな世界観を表現し、ファッション界に揺るぎないポジションを確立しているように思います。
期待値の高いブランドコレクションとなっておりましたのでご期待ください。

1.天井のロープがショールームを演出
2.3.ナチュラルなファブリック
4.堂々とした佇まいのスタイル
5.ストライプ柄のものや背面に特徴があるアウターも目を惹く
6.脇のパターンでゆとりを確保
7.コレクションにはバッグや帽子などの小物も

KLASICA / Country of origin : Japan

ブラック、ホワイトといったベーシックな色からブランドが得意とするカーキのアイテムまで、その作品群は天井から吊るされたロープに悠々と並んでいました。
素材が持つナチュラルなしっかりとした生地感。
パンツではワイドなシルエット、シャツは脇下にはゆとりを持たせたパターンを採用するなど余裕のある着心地とデザインを提案。

その他、帽子やバッグ、ストールといった気になる小物も展開させています。
悠然たる佇まいを見せる作品の数々はまさに、KLASICAが織りなす、ブランドならではのコレクションアイテムとなっておりました。

1.明るいショールームに並べられたコレクション
2.ストライプのジャケット
3.穏やかな印象はhannibalらしさが出ている
4.ネイビーの色味具合も絶妙
5.生地の風合いもブランドが得意とするところだ
6.ニットコレクション
7.シルエットの美しいアウターも目を惹く
8.9.ベーシックなスタイルには欠かせないブランドであろう
10.ブランドスタートから10周年

hannibal / Country of origin : Germany

10周年を迎えるブランドhannnibal。 自然光の入るショールームに20-21AWの作品が並びます。
ベーシックで合わせやすい作品を輩出する同ブランドからはグレンチェックや落ち着きのあるネイビーカラーのアイテムがリリース。
着る人を選ばない、アルチザンで無駄のないデザインはhannibalが持つ心地よいゆらめきの中にしっかりと芯のあるアイデンティティを感じさせます。

定番のアイテムの中に新鮮さを注ぎ込んでゆくニュアンスと風合いは、気張らない穏やかなコレクションを生み出しているので是非チェックしてみてください。

1.レザーグローブは見応え抜群
2.パターンを追求されたレザージャケット
3.グローブやウェアにはマスタードカラーも登場
4.20-21AWコレクションでもD.HYGENらしいものづくりを見せた

D.HYGEN / Country of origin : Japan

ストレイニズム=緊張主義をコンセプトに掲げる同ブランド、ここ何シーズンかはテーマを明確に発表していますが20-21AWコレクションでは”冬の森”から着想を得ているそう。
冬特有の荒い木の肌の雰囲気であったり、地面に漂う落ち葉、あるいはその葉にできたカビなどをイメージ。
レザージャケットのパターンはこれまでよりさらに複雑かつ立体的に、レザーニットはより柔らかく、ムートンのジャケットをリリースするなど毎シーズン進化を見せるD.HYGEN。
D.HYGENの代表的プロダクト、レザーグローブからもニューアイテム、ニューカラーが登場。

D.HYGENについては後日、改めてコレクションレビューをご紹介するのでお楽しみに。

1.クロコダイルレザーはブランドの代表的なマテリアルだ
2.細部まで丁寧に仕上げられたハンドルは芸術の域
3.迫力のあるウロコの大きさ
4.20-21AWの新作”Motion Boston”
5.6.デイリーユースなサイズ感で持ち方も選べる
7.”Long Stone”の新しいサイズ展開
8.高級感に溢れるプロダクト

cornelian taurus by daisuke iwanaga / Country of origin : Japan

20-21AWのテーマは”有機的曲線”。
複数のものからひとつのものを形作る有機物のイメージをバッグへと落とし込んでいます。
無駄なものを削ぎ落としながら特徴的な美しい曲線を描くジップを配した新作の”Motion Boston”は、使用する際を意識した内ポケットなどの機能面、パソコンの入るサイズ、そしてデザイナーの岩永大介氏が作品作りに心がける素材の動きなどを表現していました。
そして写真では伝えることはできませんが実際に手にしてみるとその軽さも驚くべきものです。

リリース当初から人気の高いモデル、”Long Stone”からはより実用的を考慮したサイズを展開。
クロコダイルレザーで作成されたタイプは小ぶりながらも圧倒的なオーラに包まれていました。
新しいことへのチャレンジと前進を続けるcornelian taurus、着実に進むその一歩の大きさに毎シーズン驚かされますね。

1.ギリシャ発のブランド
2.艶やかなレザーは魅力的だ
3.レザーの切り替えが男らしい印象
4.上品なプロダクトが多数
5.完成前のプロダクト
6.レディースのものではフロントのジップが映える
7.プロダクトに使われるクラッタレザー

DIMISSIANOS & MILLER / Country of origin : Greece

ムラを持たせた独特の表情を持つクラッタレザーはしっとりとし、ムラの出具合による個体差が現れるので一点もの感覚。 
シームのないワンピース仕立てのシューズは丸みを帯びたシルエットがドレッシーかつ可愛らしい印象。 

コードバンレザーを使ったものは吸い込まれそうな深みのある色合いとツヤを持っていました。
コレクション数自体は多くはないものの、その一点一点に込められた職人技とディティールはクオリティの高い重厚な作品としてリリースされています。
凛とした中に温もりを感じられる調和を醸し出すDIMISSIANOS & MILLERのシューズ。
入荷の際にはぜひ手にとってみてくださいませ。

これにて4日目は終了となります。
桃谷と保田はJULIUS、NILOS、Nomen nescioを回っているので気になる方はお話聞いてみてくださいませ。

さて、20-21AWコレクション展示会はこの4日目が最終日です。
どのブランドもさらなる進化とアイディアを発表する見応えのあるコレクションアイテムを作り出していました。
私の拙い文章では伝わらない部分が多々あると思いますので、FASCINATEの小林、The Rの桃谷、.LOGY Kyotoの保田、ANNASTESIA Nagoyaの小山にもお店にお立ち寄りの際に直接聞いてみてくださいね。

今回のパリ出張ではこれまで参加してきたFASCINATEの徳永が不参加であったことや、前回、前々回でのスリやアパートの空き巣被害にあったことなど、スタート前は不安の多いパリ出張でしたがなんとか無事終えることができました。
回るブランドも増え、タイトなスケジュール進行でしたが気づけばあっという間だったと思います。
パリ観光をする時間はほとんどないのですが、この最終日の夜はデザイナーさん達とご飯に行く予定のあった小林以外の4人でベルギー・ブリュッセル発祥でパリにも店舗がある”LEON”というお店に夕食へと繰り出したのですが、ここがまあものすごく美味しかったわけで…この文章を書いている今も記憶に蘇ります。笑
ご存知ない、貝料理好きの方はパリに行かれた際は是非。

帰りは到着時の満員電車での反省も踏まえてオペラからの直行バスで空港へ。飛行機はオランダでのトランジットも問題なくクリアし帰国。無事にパリ出張は終了です。

今回ご紹介したブランド、今は20SSのコレクションが続々と入荷してきておりますので、お時間のある方は是非お店にも遊びにいらしてくださいませ。

昨年の20SSコレクションレビューに引き続き、私が書いたこの20-21AWのレビューをご覧くださいました皆様、いかがでしたでしょうか?
20-21AWコレクションのリリースに、今からワクワクしています。
皆様も楽しんで読んでいただけていれば幸いです!

それではまた。ありがとうございました。

FASCINATEの井上でした。